杉並区に生まれ、幼少期は関東バスや西武バスを見ながら育つ。
1990年代に製造された路線バスは、3ドアのツーステップバスから低床化の流れで登場した初期タイプのノンステップバスなどの多様なバスが混在している状況にあり、それぞれの特徴の違いを見ながら、それらに魅了させられていった。
様々なバスを見て、乗ることによって、その地域やバス会社の特徴などが伺え、とても面白く感じていた。
小学生になると、親の仕事の関係でカナダへ移住することになる。
そこで見る路線バスは、日本の箱型のスケルトンボディのバスとは異なり、丸みを帯びたデザインや、連接バスが多く走っていたりと、同じ「路線バス」というものでも大きく異なることに衝撃を受けた。
その後、小学生高学年に差し掛かると、日本へ帰国し東急バスのエリアに住むこととなる。
日本国内では量産型のノンステップバスが大量導入されてる時代となり、ツーステップバスが着々と数を減らしていっていた。
中学へ進学するとともにインドネシアへ移住することになる。生まれて初めて行く東南アジア、初めて住む発展途上国。
インドとインドネシアの違いもよく分からず到着した、インドネシアの首都・ジャカルタ。独特な香りとジメジメした空気が漂う。
空港からの道のりではバイクに4人乗りする家族や、黒煙をまき散らしながら走るトラックに目が釘付けになる中、見たことのあるバスが目に入ってきた。
何度も目を疑ったが、紛れもなく都営バス。
日本から遠く離れた異国の地、大きく異なる景色に見慣れたバスが走っている。その姿に圧倒され、惹きつけられ、海外で走る日本の路線バスを追う人生が幕を開けた。
その後、インドネシアに留まらず、ミャンマーを始めとした東南アジア諸国、スリランカ、ニュージーランド、タンザニアと、日本の路線バスが第二の人生を送る姿を探しに訪れた。
異国の地で走る彼らはそれぞれに壮大なLife があり、それを少しでも多く記録として残し、知ってもらおうと始めたのがこの BUSLIFE-Kプロジェクト。